当て馬ならし
まるで私の準備が整うのを
見計らっていたようなタイミングで
青い魔方陣が突如現れた。

ゆっくりと青い蛍のように
マナの光が立ち昇る

一瞬、陣の中心がふわっと色濃く光って
夜色のローブがはためき
ラル王子が現れた。

眼鏡のレンズに
青い光が反射する。

ただでさえ白い肌は青い光に照らされて、
この世のものとは思えない
美しさを醸し出す

ただ無言でみつめている
私の瞳を捕える深い青の瞳
すっと辺りが暗くなった。

今まで光を発していた魔方陣が消えて、
通常の深夜の明かりに
戻っただけなのに
その美しい光景をずっと見ていたい
と思ってしまう自分がいた。

それをあえて振りはらう、
ここで主導権を握らなければ・・・
能力を開いて心を覗く
ことから始めなきゃ・・・

よく観察しなければ
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