当て馬ならし
目線を外して疲れたように
ラル王子が言う
「何を証拠に・・・それもカンか?」
「その証拠を探すために
 彼の後をつけたわ、
 そうしたら城壁の前で姿をけした。
 近づくと壁の外から
 ジフェル声が聞こえたの
 それから壁を通ってこちらに
 帰ってきた。」
まさかっといって
鼻で笑う声が聞こえて
「ジフェルの魔術適正は
 壁を通り抜けられるほどの
 マナを引き出すことはできない」
「でも、私は見たの、そして聞いた」
壁の向こうでジフェルと
大男が話していた内容を伝える
「彼が仕掛けるとしたら
 舞踏会の当日、
 この国の重鎮が集まるその日に
 何かをしようとしている。
 それはこの国を揺るがすほどの事なの
 ・・・たぶん・・・」
私自身を疑っても構わない・・・
でも、この話は信じて欲しい
でも、自分でも思うけど
根拠は話せないから説得力は皆無だ。
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