当て馬ならし
彼は力なく言った。
「俺が見て聞いた事に関して
 既に兄貴と親父には伝え
 何かしらの陰謀が動いている可能性を
 示唆している。舞踏会までには、
 あの森に兵が派遣される。」
すごい、既に動いてくれてた
・・・でも・・・、
「でも・・・もしその動きに
 ジフェルが気が付いたら
 証拠を隠されてしまうかもしれない。
 下手したら計画自体を隠されて
 しまうかもしれない。」
不安要素を進言する。
この計画自体ジフェルが首謀者だ。
彼を押えない限り
「だから!あいつには
 俺に感知させないで
 カモフラージュできるほどの技術はない!
 証拠がなければ動けない。」
荒げた声には含まれていないけど、
彼の心は自分を責め続けていた。
「城内にはいないけど、
 魔術のカモフラージュとかなにかしらの
 協力した人物が城の外部に
 いるのかもしれないわ」
「・・・くそっ」
小さく吐き出された言葉に
私はしまったと思った。
< 297 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop