当て馬ならし
「あんた・・・あ・・・」
ラル王子がなにか言おうとして・・・
目をそらされ
「なんでもない」とつぶやく
「え?何でもないって?」
よくわからなかったので聞き返すと
咳払いと一緒に立ち上がった彼が、
手を差し伸べる

その手を自然にとって
立たせてもらう。

私が立ったのを確認して
握った手をパッと放すと、
ぶっきらぼうに言う

「もう、俺がこの案件引きとったから
・・・面倒くさいことするなよ」

後をつけたり
証拠を探したりって事かしら・・・
心配してくれてるのが分かった。

「うん、一番協力してほしかった人に
 お任せできたから、
 もう迷惑かけるようなことしない」
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