当て馬ならし
大分、目も慣れてきた。

ここはどこ?

暗い空間を少し明るくしてるのは
足側の壁から、細い光の筋が
漏れ出てくるからのようだ。

扉になっているのだろう
隣には明るい空間があるのだろうか・・・

今いる場所はそんなに広くなく、
私が寝かされているのは寝台のような
造りの一枚岩だった。

この空間にはだれの気配もない・・・

壁は岩肌がむき出しで、
洞窟の中のようだ。

ジフェルはどこにいったのか・・・

耳を澄ますと
さっきの水滴と

・・・水が流れる音が聞こえる・・・

微かに足音が聞こえる
頭の方にも扉があり、
その明り取りの格子から
ゆらゆらと蝋燭の明かりが
近づいてくるのが分かった。

身構えて睨みつける。
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