当て馬ならし
蝋燭の炎が近づき
扉がギギギィ-と軋んで開く

直接みる炎は暗い所に慣れた目に痛い

蝋燭の向こうの顔が
にたりと笑うのが分かった

「おやおや・・・
 お目覚めになりましたかね、
 ファルゴアの姫君」
まぎれもない、それはジフェルだった

「ここはどこ?・・・」
一番の疑問を口に出す。
「何処?うーむー・・
 今のピコランダが終わる場所、
 とでも言っておこう
 新たなピコランダを見ることは
 姫にはできませんからねぇ」
クククッと喉の奥で笑う
「どういう事?
 いったい何をいってるの?!
 私にこんな事をして
 只ではすみませんよ!!!」
相手は、私が何かを知っているとは
思っていないだろう。
それを想定に入れで大声で叫ぶ、
外に聞こえるかもしれない事も
考慮に入れて・・・

「ふふふ・・・大声あげても
 誰も来ないんですよ?」
やっぱりそうか・・・
猿轡をされていない事で
うすうすは気が付いていた。
でもここはあえて
「うそっ」といって情報を引き出す。
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