当て馬ならし
隙があれば、逃げ出してやる・・・
「ここは、随分深く潜っていますからねぇ」
そう言って上を見渡すジフェル

・・・深くもぐる?
聞こえていた水音は地下水脈?

この国が終わる場所って言ってた、
という事は舞踏会の日に
ここから何かするのだろうか・・・?

「・・・どうして?
 ・・・私がこんな目にあうの?」
理不尽にここに連れてこられたように
ふるまわなければ・・・
ジフェルの行動に、
城内で気が付いているものが
居ないと思わせなきゃ

・・・時間稼ぎ・・・

手紙がラル王子に渡れば
ジフェルの事をより
強引に調べられるはずだ。

証拠さえ見つかれば、
この場所を見つけてもらえるはず

そんな意図には気づきもしない
勝ち誇ったような声で
「あなたは、運が悪かった。
 私と目が会ったでしょう?」
細い眼は瞳がどこにあるか
分からないほど細められる。

笑っている・・・のか?
< 331 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop