当て馬ならし
こんな奴の前で泣くなんて
・・・絶対やだ!!!

目を閉じて、
深呼吸をする。

思った以上にいきが震えてる
時間稼ぎだ・・・
きっと・・・来てくれる・・・

優しい夜をまとい
冷静に眼鏡を直すあの王子が浮かぶ。

信じて待つそう決めた。
だから泣かない!

目を開く
「あんたなんかに
 ・・・ピコランダが屈するわけない」
強く言い放つ、
怒りを込めて睨み返す
ジフェル笑っていた口元が歪む

さっきまで上機嫌だった声が
途端に低くなった

「7年・・・7年だよ。」
俯き・・・まるで泣いているかのように
掠れた声が、ボトボトと
床に落ちるように発せられる。
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