当て馬ならし
国家を揺るがす大罪を犯したものの家族
もちろん遺恨を残さないために
全員を処刑する国もあるだろう・・・

ただ、ピコランダでは
それは取られなかった
処置だったのだ。

もしかして・・・
ラル王子があれほど自分を責めた原因は
・・・ジフェルの素性を
知っていたからなのか・・・
先入観で彼を見ないようにしてきたのに、
また裏切られたと・・・

「ラル王子はあなたが、
 ヴェレイズの弟だと
 知っててそばに置いたの?」
「私がここに来たときは
 あの小僧は魔術師学園にいたからねぇ
 ・・・上手く隠せていたんだが。」
忌々しげに吐き摺れるように言う
「でも、いろいろ手を回して
 調べてきたようだったよ。
 隠していた過去を知ってる事を
 ほのめかしてはきたが、
 私みたいなささやかな魔術しか
 生み出せないものは取るにたりないと
 馬鹿にして放置だよ。
 だからねぇ仕返しも兼ねて
 盛大に裏切ってやることにしたんだよ。」

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