当て馬ならし
「魔物を沸かしたりして
 何とか隙をついて進めた計画
 ・・・まだ最終調整が
 のこっていたのに・・・
 あの小僧・・・突然研究所行きを
 命じやがった。お蔭で姫様
 あなたに見つかる羽目に
 なったのだけど・・・」
あの魔物の大量発生はコイツの
仕業たっだたの?

「でぇ~もぉ~」
そういってこれ以上の楽しみは無い
といった調子で語り続ける
「あと2日でこのスフィアは満ち足りる
 ・・・そう、暴走の準備が
 整うのだ、あの兄でさえ
 失敗に終わった計画を、
 この私が成功させるのだよ。
 しかもだ・・・国中の王族が集まる
 舞踏会でこれを起動させれば
 ・・・・ひひっ・・うひひひひ」
狂ったように笑い始めるジフェル・・・
でも、その声が急に静まり

ジフェルは・・・穏やかに微笑んだ。
「この国は・・・終わりですよ」
さっきまで狂っているとしか思えない
言動だったのに
もう・・・まともな顔つきになって、
柔らかい人のいい魔術師がそこにいた。
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