当て馬ならし
「大地震により噴き出した
 地下水脈が、お城にあつまった
 王族を無残にも飲み込み
 ・・・この国は崩壊するのだよ。」
放っている言葉と表情の違いに驚く。
それが・・・恐怖を呼んだ・・・
「混乱の中・・・王子達に
止めを刺してあげます。」
こうやって・・・・
知らない人からみたら普通の人に
・・・戻ってしまうのか

狂気の中でこそ可能になる人格・・・
「運よく私は研究所にいるのでね。
 災害には巻き込まれない・・・
 遠縁の私が・・・王の傍にいて
 政治にも明るい私が、
 新王につくしかないのだよ」
さもあたりまえというように語るジフェル
もう・・・止められないのだ、
この人の狂気は・・・

「いい顔になっていらっしゃる」
顔を柔らかく笑って、
彼は指輪からマナを引出し
手の中に赤紫色の魔方陣が展開する
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