当て馬ならし
ぞわり・・・触手に触れた肌が泡立つ、
寒気が全身を駆け巡り
恐怖がまた頭をもたげる

でも・・・私は屈しない
たとえここで私が
操られても、
きっと彼がこの国を
守ってくれる

そう信じる・・・

・・・助けは・・・
間に合わないかもしれない・・・
私は操られ、
この魔術師の手に落ちてしまう
かもしれない・・・

でも、この国が
・・・助かれば・・・
私の命も助かるだろう。

触手が首筋や胸もとに
這いずり回っている
「まぁ、言いなりになれば
 何でもさせられる・・・
 もう少しの辛抱だよ」
ジフェルが楽しそうに近づいてくる。

泣くな・・・怖いし辛いし
・・・悲しいけれど・・・

心は決して屈しない

私は竜の力をもって生まれた
ファルゴアの姫
この国が亡びる未来予知は
見えてない。

目の前のこの魔術師が
王になる予知もされていない!

という事は、大丈夫。
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