当て馬ならし
止まった・・・
・・助かったのだろうか・・・

私の力・・・
いえファルゴアの竜が、
助けに来てくれた。

あとは、ここから脱出して、
このスフィアの中にある
マナをあるべき場所に
戻してもらわないと
そう思ってなんとか立ちあがる。

その時、後ろで、うめく声が聞こえた
その声は地を這うように唸り

突然意味をなした
「なにをしたぁああ!!!」
そう言いながら私を突き飛ばす

額から血が流れている、
壁にぶつかった時にきったのだろう
怒りの形相でスフィアに向かって
駆け寄った

跪き残骸になった
『心身隷属装置』を拾い集めて呻いている。
「なぜだ・・・うそだ
 ・・・マナが止まっている・・・
 うそだ・・・やめろ・・・」
よろめいた私はその場で
なんとか倒れず踏みとどまったが

その哀れな背中を、
私は見つめるしかなかった
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