当て馬ならし
・・・・死体・・・・
次々に地表に這い出てくるそれは、
人型をとっているが
明らかに生を感じさせない

虚ろで白く濁った瞳、
乱れた髪はところどころ剥げ落ち
立ち姿は危うくふらりふらりと揺れる

亡者たちのは次々に
地から這い出し、
湧き出てくる

そのいくつかに見覚えのある
服装をしたものがいた。

夜の森で通り過ぎて行った
あの山賊たちだった

仲間を・・・犠牲にしたのか
そこまでして、
この国に仇をなさなければ
いけない理由が・・・私には分からない。

「殺せぇぇぇぇええ!!」
怒号が響いて亡者たちが
一斉にこちらに向かって押し寄せる
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