当て馬ならし
ジフェルが呪文を詠唱して
扉はゆっくりと開いていく・・・

こちらににやりと笑って
「では、またいずれ
 あはははは・・・・はっ!」
高笑いして振り返ったジフェルの動きが
・・・・止まる・・・・

ラル王子が
「俺たちは二度と油断しない
 ・・・なぁ、兄貴!」
扉が開いた向こうの
暗闇に向かって声をはる

次の瞬間、ドガッ!と重い音を立て
ジフェルだけが吹き飛んだ。

そしてジフェルのいた場所には、
姫を横抱きに大切に抱え
堂々と立つアル王子の姿があった。

「ああ、そして
 “いずれ”は貴様には訪れない!」
アル王子のその声をきっかけに
後ろから大勢の騎士がなだれ込んでくる。

王子の鉄拳を受けて
気絶しているジフェルを包囲し
スフィアの周りに横たわる
他の姫達も保護される

アル王子が、
私を後ろから抱きかかえてる
ラル王子に向かって笑う
ラル王子も笑っているのだろうか・・・
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