当て馬ならし
妹はクスクスと
意味深に笑った後で
「彼女、こっちに残って
 スフィアの事後処理とか
 魔術的な事を大分手伝ってたみたい
 だからラル王子も
 すこし時間が出来てたみたいだよ」
また!・・・何?
・・・沈まれ私の心臓・・・
いまの会話普通の流れだから・・・
「“アル”王子も助かったでしょうね。
 さすが未来の王妃様ね」
「そっか未来予知きてただんだね。
 もう、二人の気持ちが甘々でさぁ・・・
 最初見た時は、
 おねぇちゃん大丈夫かなって・・・
 それも心配しちゃった。」
そういってこちらに細めた目を向けて

「まー大丈夫そうでなによりだけどぉ」

なに・・なんなの?この子は・・・
つつきたいけど蛇が出そうで触れない。
心を見られてそれを指摘されたら、
きっと平常心ではいられない。

それも、きっと解っててあえて
スルーしてる我が妹が
なんだか突然大きく見えた。
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