当て馬ならし
「見た目によらずいい人だ、
 って思ったよ、おねぇちゃんに
 何したのって?聞いたら
 『魔力を補充して治癒力を高めてる』
 って言ったの。それで、
 処置がおわったらから失礼するっ
 ていって出て行こうとしたら・・・」

彼の袖を私が引いたのだという。
夢の中でいつも探していた腕・・・
現実にもつかんでいた・・・

「捕まれた瞬間、彼、
 反射的におねぇちゃんの手
 握り返しててぴーんと来たわ」
そして彼女は心を覗いた。

ハトナには聞こえないように
耳元で囁く
「蜂蜜風呂~~もうねぇ
 覗かなきゃよかった。
 早く良くなれって必死に思ってて、
 あともう、好き好きって
 もう、キスするぞーーー
 このやろーーー
 かわいいなぁーーー
 ちくしょーーー
 ・・・みたいな?」
言いだすベルの口を押える
「わ・・わかったよ
 ・・・心臓がドキドキして・・・
 恥ずかしいから
 もうやめてぇ・・・」
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