当て馬ならし
先に部屋に入ってきた
王と王妃に挨拶をして
本日招かれたことの謝辞を述べる
お二人は退席されて王子だけが残った。

二人で音楽を聴きながら
静かに言葉を交わす。

この国にきて最初に目にした
遊牧の民の勇猛さ
王都の華やかさ
劇場でお食事をいただけるという
こんな素敵な趣向に感謝する事
などを語った。

王子はファルゴアについて
お聞きになる。
ここよりは田舎であるけど
よい国だという事。
民の皆が優しいこと
武芸に秀でたというアル王子だから
父の腕を口実に腕試しなら
父が喜んでお受けするので
是非お越しくださいとさりげなく誘う。

アル王子は父親、
つまり今の王様にそっくりだった。
王子は将来髭を生やしたら
ああなるんだなーと想像して和む

私の話を聞く王子は
少し緊張している様子もありながら
会話は終始笑顔で、
ちょっとした冗談には笑ってくれて
とてもいい人だという事がわかった。
< 66 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop