空へキミに
ダムダム・・・


昔からこの音が好きだった。
お兄ちゃんはバスケが上手で県の選抜に選ばれていた。
しかし、お兄ちゃんは試合への移動中のバスの事故で亡くなった。

だからお兄ちゃんみたいな選手になりたいと思った。
だから入った。
けど全然下手。
優と聖は、市の選抜に選ばれていた。

自分は何もできなかった。
後輩にも負けて・・・

「あ。佳織先輩~」

「あれ?美癒ちゃん?」

「何してるんすか~?」

「練習。」

「練習しても無駄なのに?」

「・・・っ」

「ブスのくせに」

美癒ちゃんは、先輩と同じくらいの上手さだった。
その上裏表が激しく、私以外の先輩にはいい子ブリ、男子には甘えた声で話していた。






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