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お迎えの件だって、来てくれたら嬉しいけど、でも本当に申し訳ないと思ってしまう。

無理せず、遠慮せずって。

それってけっこう難しい。

「それが難しいなら、僕がキスしたい時にするっていう条件でもいいよ」

「えっ?エエッ!」

不用心なところでストレートに受け取ってしまい、激しく動揺してしまった。

そんなこと言うなんて全然考えてもいなくて、一気に顔が熱くなる。

「すぐ真に受けるんだね。いいな、面白いな、ハルは」

「もう!そういう冗談言うの、ホントにやめてよ!」

「僕にとっては好ましい条件なんだけどね、どっちがいい?」

「どっちって……。じゃあ、遠慮しないという方向で」

「よろしい」

冗談だってわかってるけど、そんなこと言われたら、やっぱり意識してしまう。

どうして和馬は平気な顔をしていられるんだろう。

全然わからない。
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