ページをめくって
時々「住む所、探してる?」って声をかけたけど、曖昧な答えしか返ってこなかった。

それに対して私も問い詰めたりはしなかった。

私は家に帰る時間をできるだけ遅くしたくて、言われた業務を断ることなく全部受けた。

さぞかし、便利な部下だったことだろう。

課長は喜んで、次々と業務を押しつけてきた。

毎日バカみたいに残業して、一人で仕事を請け負って。

そのままズルズルと1か月も過ぎてしまった。
< 11 / 522 >

この作品をシェア

pagetop