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「いつもね、足が竦んじゃって、動けなくなっちゃうんだ……」

「え?怒鳴られると?」

「うん」

ハルは相当酔っていて、意識が朦朧としている様子でそう言った。

許せない。

かわいそうに。

今すぐにでもぎゅうぎゅうに甘やかしたい。

「そんなひどい怒鳴り方するの?……まさか、怒鳴るだけじゃないとか?」

「……なんかね、お父さんみたいなの」

「え、お父さん?」

「うん、怒鳴り方がね、似てるの……」

ああ、そうか。

そういえば、少しずつ思い出してきた。

ハルの父親のこと。

なるほど、父親の影響か。


なんとなく、わかってきたかもしれない。

でも、もう少し突っ込んでいろいろと考えてみたいところだ。
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