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ハルは一度だけ目を開けて僕のシャツを握ったから、憶えているかもしれないと思っていた。

でも、翌朝のハルは見事に全然憶えていなかった。

本当はキスをするだけでは収まらず、止められなくなりそうになったけれど、身を引き裂かれる思いで体を引き剥がした。

それ以上は、さすがにダメだ。

ハルが僕を好きになってくれるまでは。

そんなの、当たり前なんだけど。
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