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キスだってするべきではなかった。

僕だって、相手に断りもなしにキスをしたのなんて、初めてだった。

このままキスをしていたら自分を抑えられないけれど、それでもどうしても触れていたくて、ギリギリの妥協点として、また髪を梳いてじっと我慢することにした。

それだってハルが知ったら怖いと思うだろう。

僕もそんな自分がちょっと怖いと思ったから。

何やってんだろうなって。

朝になってハルが髪に触れた時、僕が触れたことに気が付くんじゃないかと思ったけれど、これまた全然気が付いていないようだった。
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