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辛いことを思い出させてしまったんだろうか。

ハルの涙の粒が、胸の奥に刺さるような痛みを感じさせた。

僕が手に入れたいばっかりに、傷つけて泣かせている。

僕は「悪いことするよ」なんて、冗談を言うくらいのことしかできなかった。

半分は本気だったけど。

イケナイコトをしてしまいたかったけど。

でも、泣いている、苦しんでいる彼女にそんなことをしてはいけないと思った。

ハルは気丈にも「大丈夫」と言っていた。

しばらく様子を見ていたけれど、落ち着いてきたみたいだったし、僕がダメになりそうだったから、先に部屋に戻った。