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「そっか。そうだよね。僕なんかが彼氏だって思われたら、嫌だよね?」

「え?あの、嫌とかじゃなくて……」

「違うの?」

「う、うん……」

「じゃあ、別にいいんじゃないの?ダメ?」

そう言って僕は少し強引に手を握った。

ハルは困り、戸惑っていた。

そうだろうね。

わざと意地悪を言って困らせているんだから。

かわいそうに、優しいハルは僕の手を無理やり離すなんていうことはできないだろう。

「もう、帰ろ」

「……うん」

やっぱりハルは戸惑いつつも、手を繋いだまま僕について来た。
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