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今日に限っては、こんな思わせぶりなセリフを言ってはいけなかった。

ハルの瞳は少し動揺したような動きをして、僕はその瞳から視線を離せなくなった。

吸い込まれるようにじっと見つめ合って、冗談だよとか言うタイミングも逃してしまった。

どのくらいそうしていたのか、一瞬だったのかもしれないけれど、とても長い時間に感じた。

微妙な空気が漂ったところで、僕はやっと我に返り、フイッと顔をそむけた。

「今日は疲れちゃったから、先に寝るね」

なんかもう、ロクでもないセリフ。

気の利いたことなんて、とても言える状態じゃない。

「うん」

そう言ったハルがどんな顔をしていたのか、見る余裕もなかった。

今の僕は全然ダメだ。

一度冷静になって明日から仕切り直そう。
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