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今考えると、ハルが僕を好きになってくれたのは間違いないだろう。

いくら不意打ちを食らったからって、昨日の僕は動揺し過ぎだった。

情けない。

僕と一緒にいることで、ハルの中で何か変化があったんだろう。

だから僕を好きになってくれた。

それなのに、僕ときたら激しく動揺して彼女の想いに全然応えられなかった。

僕が自分で仕向けたくせに。

疲れていたなんて言い訳にならない。

自分が嫌になる。

ある意味、本当にダメな男だ。

だいたい手を握り返してきた時点で気付くべきだった。

あんなにわかりやすい人、そうはいない。

ハルは僕が気が付いていないとでも思っているんだろうか。

それとも一生懸命、僕に想いを伝えていたんだろうか。
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