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ハルは父親の闇と一緒に寂しさを抱えている。

そもそも、ハルの闇を消し去るとか考えたけれど、それだって恐れ多いことかもしれない。

きっと完全に消し去ることなんかできない。

闇もハルを構成する一部分。

その闇の部分もひっくるめて、ハルの全部を僕は好きなんだと、今は思える。

闇がハルを苦しめないように僕は足掻くと思うけれど。

まだ闇の色は濃くて、ハルの一部というよりはハルの外側にあって苦しめている。

その闇の色を薄めてハルの中に溶け込んでいくようにできたらいいんだと思う。
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