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みんなの会話はテンポが良くて楽しくて、10年ぶりのはずなのに昨日の続きみたいに違和感がない。

再び賑やかな喧騒に包まれて、楽しい気持ちが戻ってきた。


楽しさに後押しされて、私は気持ちが緩んでしまったのか、少しお酒を飲み過ぎてしまったんだと思う。

みんなの会話がだんだんと膜を隔てたみたいに遠くなって、ぼんやりと聞こえてくる。

「篠原、仕事何してんの?」

「……キシ」

「はぁ?なにそれ?」

「将棋の棋士だよ」

「出たっ、ザ地味っ」

「すっごい眼鏡っぽいね、それ」

「将棋っておじいさん?おじさん?の趣味なんじゃないの?」

「コバは既におじさんだけどねー」

「違うっ、断じて違うっ」

「篠原君、それってお仕事なわけ?」

「まあ、仕事だね」

「ふぅーん」
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