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「そんな。楽しいわけでは……」

「いいのいいのっ!楽しい方が。だって立花さん、このところずっと辛そうだったから」

「え?そうですか?」

「うん。いつも一生懸命お仕事がんばってる後輩が、あんまり辛そうにしてるのもねぇ」

私、そんな風に見えてたんだ。

でも、小林さんが私を心配してくれていたなんて、すごく嬉しかった。

そうか。

私、浩介と一緒にいるのが辛かったんだ。

今さら気が付いた。

そうだった、私すごく辛かった。

辛くてどうしようもない私を、和馬が助けてくれたんだ。

あんなに辛かったのに、忘れてしまうなんて。
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