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一気に目が冴えた。

耳を澄ませてじっとする。

ちゃんと服は着ているから、たぶん最悪の事態にはなっていないみたいだけど。

どうしよう、どうしよう。

怖くて起き上がれない。

しばらくじっと固まっていると、時計の針の音だけが、カッチ、カッチ、と聞こえてきた。

このままじっとしていても何もわからないままだ。

私は怯える自分をなだめて、勇気を振り絞り、ゆっくりと起き上がってみた。

「あ、起きたね。……おはよ」
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