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「言いにくいことなの?僕がやきもちを妬くようなこと?」

「違うよ!そんなんじゃなくて……」

「じゃあ、何?」

聞くだけなのに、胸がキュウッと痛くなって、深呼吸した。


「……私のこと、好き?」

和馬は少しだけ目を大きく開いた。

やっぱりこんなこと、聞くべきじゃなかった。

うざくて、気持ち悪いよね?

後悔が押し寄せて、じわっと涙が浮かんだ。

「ハルのこと、大好きだよ」

私はハッと見上げた。

「ハルは鈍感だからね、何度でも言うよ。僕はハルが大好きだよ」

和馬は優しい瞳をしていた。

和馬が私の手を強くギュッと握ってきたから、私は下を向いて握り返した。

「うん、ありがとう」
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