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「『ありがとう』じゃないよね?」

「え?」

「僕は言ったんだから、ハルも言ってよ。僕のこと、好き?」

そうなるのか……。

そうやってわざと苛めてる?

「僕のこと、好きじゃないの?」

私は首を振って下を向いたまま言った。

「和馬のこと、好きだよ」

和馬を見上げて、私はもう一度言った。

「和馬のこと、大好きだよ?」

少し大きな声で言ったら気持ちがスッとした。
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