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「秘密は秘密」

「ふーん、まあいいけど。何年かかっても必ず聞き出すからね」

何年かかっても?

そう言われて初めて、そんな先の未来があることを実感した。

和馬はこれから何年も私と一緒にいようと考えてくれてるの?

私なんて、今の一瞬でも精一杯なのに。

和馬は先のことを考えてくれている。

少しずつじわじわと和馬の思いを感じて、胸が痛くなった。

私、こんな幸せな気持ちになってしまって、大丈夫なのかな。

信じていいのかな。

やっぱり、すごく怖い。

信じても、いつかダメになる日が来るんじゃないかって。
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