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「謝るようなことじゃないよ」

「でも……」

和馬は私に近付いて、ぎゅうっと抱き締めてきた。

わかってきたけど、和馬はこうするのが好きみたいだ。

「これで十分だから。それに、男がみんな飢えた獣だと思ってるなら心外だね」

「そんなことは、思ってないけど」

和馬は少し溜息をついた。

「ハルのことがね、すごく大切だから無理強いはしたくないんだよ」

「そんな、無理強いなんて……」

「それに、嫌われるんじゃないかって、恐れている気持ちもある」

「え?嫌われる?」

和馬が私に嫌われるのを怖がるなんて、そんな風に思っているなんて、すごく意外だった。

「嫌いになんかならないって言ってくれるのはわかってるけどね」

「うん」

「まあ、そんなこと言っていても、急にネジがどっか行って、我慢できなくなるかもしれないけど」

「我慢してるの?」

「あ、語弊があったかな?そうじゃなくてね、気持ちの変化って意味だよ」

「私に気を使っているわけじゃないの?」

「そういうのとはちょっと違うよ。だから、ハルはそんなに心配しないで」

「うん……わかった」
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