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「電話したのにシカトしやがって。何様だよ」

「……ごめんなさい」

反射的に誤ってしまった。

「そんなこと、謝らなくてもいいよ」

和馬が私の近くで言った。

「遥が電話に出ねえからだろ。荷物どうするなんて、俺は知らねえよ」

やっぱり。

そういう言いがかりは、つけてくるだろうと思っていた。

「でも、メールで……」

「電話に出ねーからだろ？」

浩介から被せるように大きな声で言われて、黙り込んでしまった。

「いいからお前、早く出て行けよ」

落ち着いた冷たい和馬の声。

和馬の言葉に反応して、浩介が立ち上がった。

「出て行くのはテメエの方だよ」

やっぱり和馬を連れてくるべきじゃなかった。

後悔が押し寄せてくる。

もう、心臓が口から出てきそうなくらい激しい鼓動を感じていた。
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