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(9)涙の理由
涙は止まらないけど、鼻水をなんとかしたい。
「ティッシュ取りたいから、離してもらってもいい?」
私がそう言うと、和馬は一瞬考えてから、腕に力を入れて私をそのまま持ち上げた。
「ダメ、離さない」
「わっ」
私はびっくりして声を上げたけど、和馬は動じずそのままソファの前に運ばれてしまった。
和馬は床に座ってソファに背中を預けると、足の間に私を横向きに置いて抱え込んだ。
私は、そこにあったティッシュペーパーをとって鼻をかんだ。
ぐしぐしと鼻をかんでいても、涙は後から後から流れ出てきて、全然止まらなかった。
和馬は私の頭にコツンと額を寄せた。
「ハル、男を見る目なさすぎ」
「そうだね」
「さすがに、あんなチンピラだとは思ってなかったよ」
「あはは、チンピラって表現はぴったりだね」
笑っているのに、まだポロポロと涙が流れてくる。
「ティッシュ取りたいから、離してもらってもいい?」
私がそう言うと、和馬は一瞬考えてから、腕に力を入れて私をそのまま持ち上げた。
「ダメ、離さない」
「わっ」
私はびっくりして声を上げたけど、和馬は動じずそのままソファの前に運ばれてしまった。
和馬は床に座ってソファに背中を預けると、足の間に私を横向きに置いて抱え込んだ。
私は、そこにあったティッシュペーパーをとって鼻をかんだ。
ぐしぐしと鼻をかんでいても、涙は後から後から流れ出てきて、全然止まらなかった。
和馬は私の頭にコツンと額を寄せた。
「ハル、男を見る目なさすぎ」
「そうだね」
「さすがに、あんなチンピラだとは思ってなかったよ」
「あはは、チンピラって表現はぴったりだね」
笑っているのに、まだポロポロと涙が流れてくる。