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それから、ちょっと考えて聞いた。

「……一緒に買い物、行ってくれる?」

「当たり前じゃん」

「うん、ありがとう」

嬉しかった。

一緒にお買い物に行けるなんて。

和馬はきっと来てくれると思ったけど。

いつも一人で買い物をしていて、それが今までなんだかとても辛かったから。

「そんなことが『ありがとう』なの?」

「うん、そう。すごく甘えてるの」

「そうかな?」

和馬が首を傾げたから、腕にギュッとしがみ付いて意思表示をしてみた。

「そうなんだよ」

和馬は少し黙っていたけれど「わかったよ」と微笑んだ。
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