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「ハルがお前に貸している金、かなり几帳面に記録してあるんだよね。それで返済をしてもらう相談を弁護士としてるんだけどさ。全額となるとけっこうな金額だね?って言った」

「……なにソレ?」

「金は耳を揃えて返してもらうよ。それから、もうハルには近付くなよ。近付くとその分かさ増しするからね。借用書がないから、そんなのいくらでもねえ?わかるだろ?って言った」

「……」

「ここに住んでるんだよね?ならここに弁護士よこすよ。ああ、いつまでここにいるつもり?ここにいるってどういうことか、わかってるよね?刑事裁判にはできないけど、民事裁判にはできるんじゃないかな?って言った」

よくそんな次々と思いつくな。

和馬は首を傾げて苦笑いをした。

「まあ、こんな感じのハッタリ。あいつ、あの家にいたらお金を返す羽目になるって思っただろうから、たぶん出ていくよ。裁判は何の裁判かよくわからないけど、効果がありそうだったから付け足しておいた」
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