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いちおう、コンパクトを出して確認しようとバックに手を入れた時、スマホがメールの着信を知らせて震えた。

見ると亜矢からのメールだった。

内容を見てふふっと笑うと、和馬が複雑な表情で見つめてきた。

「どうしたの?……元彼?」

「違う違うっ、亜矢ちゃんから」

「ふーん」

私はメールをそのまま読んであげた。

『ずいぶん酔ってたけど、大丈夫だった?篠原君、遥を実家に送らないで、タクシーに乗っけて帰ったらしいね。お持ち帰りされたって噂だよ。どうなった?絶対報告!』

和馬は少しバツが悪そうな顔をした。

「……お持ち帰りしたと言われれば、そうなるけど。悪いことはしてないよ」

そうだよね、やっぱり何もないよね。
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