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和馬は軽くチュッとキスをすると「今何時?」と言いながら時計を手に取った。

「6時だ」

「もう起きなきゃ」

「もう少しだけ」

そう言ってまた私をぎゅうっと抱き締めた。

しっとりした肌が触れ合うと夕べのことを思い出して、ドキドキして目眩がする。

そのうち、和馬は抱き締めるだけじゃなくて、首筋にキスをし始めた。

つい吐息が漏れてしまう。

「んっ……、ダ、ダメだよ。もう起きなきゃ」

「やっぱり会社休んで」

「ダメ、そんなの無理だから」

「どうしてもダメ?」

「和馬だって対局だったら休めないでしょ?」

「……それもそうだね」

対局、と言われて少し目の色が変わったような気がした。
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