ページをめくって
それに、ハルは高まっていくにつれて「怖い」と言い始めた。

最初は何言ってるの?と思ったけれど、すぐに意味がわかった。

イッたことがないの?

本当に?

こんなに感じやすいのに?

今までの男たちは何をしていたんだろう。

君にとっては体を与えるだけの行為だったんだろうか。

それとも、僕だから感じてくれているの?

そんなの煽られないわけがない。

ハルが嘘をついて僕を喜ばせようとしているとは思えなかった。

僕も初めてにこだわりがあるわけじゃないけれど。

降ったばかりの新雪に足跡を残すみたいな子どもっぽい考え。

でも、腕の中で小さく悲鳴を上げて達した、震えるハルを知っているのが僕だけなら、これ以上の喜びはない。

特に嫉妬心の塊みたいな僕にとっては。

可愛くてずっと腕の中に閉じ込めておきたかった。

ハルは今までいつも、自分を置き去りにして、相手に与えるだけだったのかもしれない。

だから、どこか違う場所を見ている草食だったんだろう。

でも、二人でしてることなんだから、二人とも感じて気持ちいい方がいいに決まってる。

僕がいくらでも感じさせてあげる。

だから、純粋に単純に自分のために感じて、僕を求めてほしい。

もう、愛しくてたまらなくて僕がしつこくしたからハルは何度も悲鳴を上げることになった。


結局「無理しないで」なんて言っている僕が、昨日は一番無理をさせてしまったと思う。
< 372 / 522 >

この作品をシェア

pagetop