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そうなると僕だって聞きたくなる。

聞いたら狂ってのた打ち回るのに。

「ハルは……」

「?」

「ハルは何人の男と付き合ってきたの?」

「ええっ?」

結局聞いてしまった。

聞いたら嫉妬で狂いそう。

わかっていたのに。

「えっと、それは……」

「言えないくらいたくさん付き合ってたの?」

「そんなことっ!」

「酔った時そんな感じのこと言ってたけど」

「エッ!?」

本当はそこまでのことは言っていなかった。

「私、そんなこと言ったの?……そんなことないよ」

「ふーん」

「そんな……、どうしても言わなきゃダメ?」

「もう聞いちゃったから、ハルが言ってくれないと僕も引き返せない」

引き返せないのは僕の事情なんだけれど、あたかもハルのせいみたいに言って、ズルイ僕のやり方に君は流されてしまうんだろうね。
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