ページをめくって
ハルは昨日のように本は読まずに、ベッドの上で膝を抱えて小さく座っていた。

泣いていたの?

僕は隣に座った。

「大丈夫?」

「うん」

とても大丈夫には見えなかった。

「電気消すよ?」

「うん」

電気を消してから布団に潜り込んで、ハルを抱き締めた。

これは、……また中に何も着てない。

いけない子だなあ、僕はいいんだけれど。

でも、今日は抱いてはいけない気がする。

なんだろう、勘?

勘って意外と普段から観察している結果とか、考えていることが凝縮して反映されているような気がして、おろそかにできない。

今日は勘に従ってみよう。

「今日はしないの?」

僕がじっとしていたせいか、ハルがそんなことを聞いてきた。

意外だな。

そんなこと言うこともあるのか。
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