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軽く化粧をして戻ったら、急にお腹が空いてきた。

「何か作ってあげようか?」

「え?いや、材料ないよ」

冷蔵庫を開けると、本当にびっくりするくらい空っぽだった。

「料理はしないから」

「そうなんだ」

「うん、いつも買ってきて食べてる」

「ふーん」

それにしても、ここまで何も入っていない冷蔵庫は初めて見た。

男の人って、やっぱりそういう感じなのかな。


「お腹空いた?駅前にマックあるけど行く?」

「あ、うん」

「じゃあ、ちょっと待ってて」

和馬が顔を洗いに行っている間に、亜矢に返事を送ろうとスマホを取り出した。

何を書くべきか迷ったが、結局『心配かけてごめんね。大丈夫、無傷だよ』とだけ打って送信した。
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