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(5)負けるのも悪くない
次の日の朝、ハルの目はよく見ると少し腫れているくらいだったけれど、僕は心配だった。
ハルはこのくらいすぐに治まるから平気、と言って元気に出かけて行った。
頼むから会社で寺嶋に会いませんように。
あいつなら絶対に気が付くだろう。
あいつが入り込む隙を作りたくない。
でも、迎えに行った時にさりげなく聞いたら、特に寺嶋と話した様子はなくて安心した。
そんなことよりハルには夢中なことがあって、僕達はさっそく話し合いをすることになった。
時間は昨日と同じ夜9時。
ハルは「やっぱりご飯を作っちゃダメ?」と聞いてきた。
「そんな無理してまで尽くしてくれなくても、僕はハルと一緒にいるよ」
僕は昨日よりもう少し丁寧に説明してみた。
「それはわかってる。だからね、和馬の為じゃなくて自分の為に作りたいの」
「自分の為に作りたいの?」
そんなに料理したいのか。
「だって……こんなに外食ばっかりしてたら、太っちゃうよ」
「あはは、すごく可愛いね」
本当に可愛い理由だった。
でも、からかわれたと思ったのか、ハルは口を膨らませた。
「ホントだよ?どうして和馬は太らないのか、不思議だよ」
ハルはこのくらいすぐに治まるから平気、と言って元気に出かけて行った。
頼むから会社で寺嶋に会いませんように。
あいつなら絶対に気が付くだろう。
あいつが入り込む隙を作りたくない。
でも、迎えに行った時にさりげなく聞いたら、特に寺嶋と話した様子はなくて安心した。
そんなことよりハルには夢中なことがあって、僕達はさっそく話し合いをすることになった。
時間は昨日と同じ夜9時。
ハルは「やっぱりご飯を作っちゃダメ?」と聞いてきた。
「そんな無理してまで尽くしてくれなくても、僕はハルと一緒にいるよ」
僕は昨日よりもう少し丁寧に説明してみた。
「それはわかってる。だからね、和馬の為じゃなくて自分の為に作りたいの」
「自分の為に作りたいの?」
そんなに料理したいのか。
「だって……こんなに外食ばっかりしてたら、太っちゃうよ」
「あはは、すごく可愛いね」
本当に可愛い理由だった。
でも、からかわれたと思ったのか、ハルは口を膨らませた。
「ホントだよ?どうして和馬は太らないのか、不思議だよ」