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「ハルだって太ってないじゃない。それにハルが太ったとしても僕はかまわないけど」

「私は困るよ。それにお金ももったいないよ」

「作った方が安上がり?」

確かにそれは感じていた。

一緒に買い物をして、そんな金額で出来るんだと感心した。

立ち食いは別としてやっぱり外食は高くつく。

まあ、それは手間賃だから仕方がないと思うけれど。

「全然安上がりだよ?私みたいなしがないOLに、この生活は厳しいよ」

「ふーん。じゃあ、食事は僕が奢るよ」

僕だってそんなに高給取りじゃないけれど、ご飯を奢るくらいはできる。

「そんなの悪いし、太るからダメ」

「カロリーの低いもの頼めばいいじゃない」

「これから行くような所に、そんなメニューないよ」

カロリーなんてあんまり考えたことなかったけれど、そうだったかもしれない。

まずいな、何か言っても確実に返してくる。

さては前もって理論武装してきたな。

僕も少しは考えておけばよかった。

「とりあえず今日は遅いし、いいじゃない」

「そうやって結局毎日になっちゃうんだよ。思った時に行動しないといけないんだよ」

「それはまあ、確かにそうだね」

なんか、今日は負けそうだな。
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