ページをめくって
電話に出ちゃったらどうしよう、とドキドキしながら浩介に電話をする。

我慢して5回コールが鳴ったところで電話を切った。

「ほらっ、出なかったよ」

「ふーん。まあ、いいけど。じゃあ食べたら、ハルんち行こう」

困ったな。

どうしてこんなに係わってくるんだろう。

こんなことに和馬を巻き込むなんて、やっぱりいけないと思う。

「やっぱり、いいよ。私一人で大丈夫だから」

「今までダメだったのに?」

「今度こそ、大丈夫だから!」

「いいや、嘘だね。僕は幼なじみだからね、ハルの性格はよく知っているんだよ」

「子どもの頃とは違うもん」

「そうやって『今度こそ』って言って、また流されちゃうんでしょ?」

えっ……。

私、子どもの頃から流されてた?

そうだったかな……。

そう思ったのが顔に出たのか、和馬はニヤッと笑った。

「変わってないんでしょ?流されるところ」
< 42 / 522 >

この作品をシェア

pagetop