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トレイを持って、窓際の席に向かい合って座ると、私はずっと気になっていたことを切り出した。

「和馬、追い出すって言ってたけど、どうするつもりなの？」

「どうするって、出ていけって言うんだよ。荷物をまとめさせてさ」

「……でも、今まで全然聞く耳持たなかったんだよ。簡単には出て行かないよ」

「ほんっとに、しょうもない男なんだね、そいつは」

「うん。そうだね」

浩介がどうしようもない男だというのは確かにそう。

そんなことより、和馬はすごく優しそうだから浩介に舐められてしまうような気がして、心配だった。

「じゃあ、僕がハルの新しい恋人っていう設定で、そいつの存在が面白くないから出ていけっていうことにしよう」

「え？うん、……いいけど」

和馬は勝手に設定を作ってなんだか楽しそうに言っているけれど、私はどんどん不安になってきた。

浩介は相手が男だったら、怒鳴るだけで済まなくて、手を出すかもしれない。